Kikasete 聴かせて

心のブログ

あれもこれもと焦らずに ゆっくり糸を重ねてゆこう


差し伸べた手だけではどうにも出来ず、互いに悲しく思うくらいなら、いっそその手は差し出すべきでは無かったのか⁉︎

小学校で芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を学んだ時の事。授業では、どんな人にでも救われる価値はあるが、他を思いやれないようでは、救えるものも救えない。そんな様に習った記憶があります。
当時の私は、地獄の苦しみから逃れたい多くの思いに対して、たった一筋の蜘蛛の糸しか与えなかったお釈迦様こそ、人の苦しみを理解せず酷い仕打ちをする悪い仏様だと憤りました。

その後、多くの経験と共に心も成長し、人に手を差し伸べる立場でいられる事の方が多くなった私ですが、時として、冒頭で語った思いを自問自答する出来事に遭遇します。
いくら救いたくても、あれもこれもは急には無理だよ、慌てないで良いのだから、ゆっくり行こうよ…と。いつの間にか私は、地獄で助けを求めた男では無く、お釈迦様の立場で解釈する様になっていました。

小学生の私なら、待てる訳無いよ!どれだけ苦しくて、どれだけ楽になりたいか、手を差し伸べるなら一気に救うべきだ!次はいつか、本当に次があるのかと待ちわびる不安な気持ちが分かる?下手に希望を持たせるな!と憤る事でしょう。

ここからは、仏教の事を良くは知らない私の勝手な絵空事ですが…
お釈迦様ですら、多くの苦しみを一度に救い出す事は出来なかった。でも仏様は確かいっぱいいらっしゃるはず?1本の糸では耐えられ無くても、仏様皆で糸を重ねて協力出来れば、重みに耐えて救える様になるのではないのかな?
実はこれ、昨今必要だと言われているチーム連携の事。残念ながら、まだ実際に上手く連携出来ている場は、あまりない様に感じています。
他職種との関わりのみならず、同職同士でも、皆んなで1人の人を協力し、支えて行く事の出来る仕組みがあれば、今まで救いきれなかった人達をも救える様になるのでは無いでしょうか?

残念ながら私は、まずは母であり妻であり、娘であり、友である事を基盤としているため、そこまで大層な活動を起こす事は出来ませんし、ただ夢を語るだけではあります…
もし、そんな私でもお力になれる仕組みを既に作られて居る方や、これから作りたいと熱い想いを持っておられる方。私同様に熱い想いだけは秘めて居ると言う方がいらっしゃるなら、お声を掛けて頂ければ嬉しく思います。

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